睡眠以外で疲労を回復させる7つの方法
睡眠が最良の疲労回復方法だと分かっていても十分に睡眠が取れないことってありますよね。
でも、睡眠以外でも疲労回復に効果的な方法があるんです。
今回は、「睡眠以外で疲労を回復させる6つの方法」について詳しくお伝えします!
疲労のメカニズム
ここ20年あまりで疲労に関する研究が進み、疲労のメカニズムが明らかになってきました。
以前は体内に乳酸が溜まると疲労を感じると言われてきましたが、乳酸は疲労の原因物質ではなかったのです。
近年の研究で乳酸はむしろ、激しい運動によって傷ついた組織の回復を助ける物質であることが分かりました。
では、何が疲労の原因かと言うと、脳の疲れ、正確に言うと自律神経が疲れることで私たちは疲労を感じることが分かりました。
自律神経は、呼吸、消化吸収、血液循環、心拍など、自分の意思とは無関係なところで私たちの体を常に正常な状態に保つように働いてくれています。
しかも、24時間365日休むことなく、生きている限りずっとです。
実はデスクワークも運動も疲れ自体は同じでどちらも緊張感を制御する自律神経の疲れが原因なんです。
例えば、春先の5kmのジョギングと真夏の炎天下での5kmのジョギングでは疲れ方が全然違いますよね。
運動量に差がないのに疲れの差が出るのは体温調節をするのに疲れるからなんです。
夏場は体温が上がりすぎるので、自律神経は発汗して体温調節してくれています。その体温調節をしている自律神経が疲れてしまうんですね。
それに5月病ってありますよね。
あれも自律神経が疲れることで起こるんです。
春は学校に入学したり、会社の部署が変わったり、環境が変わりやすい時期です。
新しい環境からストレスや緊張が生じて(交感神経が優位)、自律神経が乱れて(交感神経と副交感神経のバランスが乱れる)、疲労が起こるんです。
睡眠以外で疲労を回復させる方法
疲労の原因が分かったところで「睡眠以外で疲労を回復させる方法」について詳しくお伝えします。
自律神経の疲れを癒す最良の方法は良質な睡眠なのですが、良質な睡眠以外でも疲れてしまった自律神経を回復させる方法はあります。
① イミダゾールジペプチドを摂る
2003年に大阪市、大阪市立大学などの5大学、食品・医薬メーカー18社が参画した産官学連携の抗疲労プロジェクトがスタートしました。
その中で疲労回復に効果があるとされていた23種類の食品成分を調べたところ、最も疲労回復効果が認められたのが、イミダゾールジペプチドです。
イミダゾールジペプチドは、鳥の羽の付け根部分の筋肉やカツオやマグロなどの大型回遊魚の尾びれに多く含まれる抗酸化物質です。
渡り鳥が休むことなく1万キロ以上飛び続けたり、マグロやカツオが24時間泳ぎ続けられるのもこのイミダゾールジペプチドのおかげだと言われています。
人間もイミダゾールジペプチドを体の中に持っていますが、年を重ねるごとに少なくなってしまうといいます。
ですが、イミダゾールジペプチドを含む食べ物を摂ることで少なくなったイミダゾールジペプチドを補うことができます。
鶏のむね肉から抽出したイミダゾールジペプチドを人間が摂取しても自律神経の中枢にきちんと作用して疲れないようにできるということも実験の結果から分かっています。
イミダゾールジペプチドは豚肉や牛肉などにも含まれていますが、最も効率的に摂れるのが鶏のむね肉です。
家畜化されたニワトリのむね肉も遺伝的にイミダゾールジペプチドを豊富に含んでいます。
イミダゾールジペプチドの疲労回復効果を期待するなら、1日200mg以上を2週間食べ続けるようにしましょう。
200mgのイミダゾールジペプチドは鶏のむね肉なら、100gに含まれています。
もし、毎日鶏の胸肉を食べ続けることが難しい場合は、イミダゾールジペプチドを手軽に摂れるドリンクやサプリメントもあります。
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② ぬるめのお湯で半身浴
疲労回復のためにお風呂や温泉に入る方も多いでしょう。
ですが、お風呂も入浴の仕方を間違えると、逆に疲労を増してしまうことになります。
疲労回復に効果的なのは、ぬるま湯(38~40℃)での半身浴です。
汗をダラダラとかいてしまうと、体温調節のために自律神経を酷使してしまうことになるので逆効果です。
③ 森林浴
森林の「ゆらぎ」に疲労回復効果があることが分かりました。
自然の中では、風の強さや方角は常に変わり、温度も湿度も微妙に変化します。
川のせせらぎや鳥の鳴き声も一定ではありません。
こうした不規則な変化が「ゆらぎ」であり、疲労回復効果が実証されています。
へとへとな生活にお困りの方は休日に森林浴に出かけてはいかがでしょうか?
「森林浴に出かける時間がない!」という方は自室を快適な空間にして(エアコンを使うなどして)森の映像を眺めることでも疲労回復効果が見込めます。
④ 観葉植物の葉を嗅ぐ
観葉植物の葉を嗅ぐことでも疲労回復に効果があります。
観葉植物の葉っぱをちぎって擦ると何となく苦い香りがします。
これは青葉アルデヒド、青葉アルコールという抗疲労の匂いです。
この匂いを嗅ぐと同じ作業をしても疲れにくいことが科学的分かっているのだそうです。
青葉アルデヒド、青葉アルコールといった成分が脳の前頭葉に作用し、疲労の元となる活性酸素が発生しにくくなります。
⑤ ため息をつく
ため息は腹式呼吸です。
ため息は、交感神経が優位になっている気持ちを副交感神経が優位なリラックスした気持ちにしてくれます。
⑥ 笑う
笑っている時は交感神経も副交感神経も緊張しています。
ですが、笑った後は副交感神経が優位になります。
感情を素直に出すのは抗疲労の考え方から言うと非常に合理的なんです。
⑦ 泣く
泣くのは疲労回復に効果があります。
涙を流すと副交感神経が優位になり、血中のストレスホルモンも減少します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、「睡眠以外で疲労を回復させる6つの方法」についてお伝えしました。
良質な睡眠が疲労回復に最も効果的ですが、今回ご紹介した方法でも疲労を回復させることができます。
睡眠不足だけど疲労を回復したい、疲れてるんだけど眠れないという方はぜひ試してみてくださいね。
栄養ドリンクの疲労回復効果とは?
疲れた時に栄養ドリンクを飲む方って多いですよね?
でも、飲んだ直後は疲労が取れたような感じがしてもしばらくすると、飲む前以上に疲れを感じてしまうってことはありませんか?
実は栄養ドリンクには根本的な疲労を回復する効果がないんです。
栄養ドリンクにはビタミンやアミノ酸、カフェイン、微量のアルコールが入った商品が多いです。
カフェインは眠気を覚ます覚醒作用があり、微量のアルコールは高揚感を感じます。
これはつまり、一時的に疲労感だけを感じなくさせて、実際の疲労は取れていないからなんです。
「でも、栄養ドリンクに含まれている栄養素が疲労を回復させるのでは?」と思いますよね?
そもそも飽食の現代で普通の食生活を送っていたら、栄養不足なんて起こらないんです。
栄養が足りているうえにさらにビタミンB群などの栄養を摂っても、尿として排泄されてしまうだけです。
ですから、栄養ドリンクは「疲れているけど、もうひと頑張りしたい!」といったここぞの場面に飲むのが効果的なんです。
熱いお風呂は疲労回復には逆効果!
疲労回復のために熱いお風呂に入ったり、サウナに入るという方もいらっしゃるでしょう。
ですが、熱いお風呂は自律神経が体温調節のために酷使されるので、逆に疲れが増してしまうんです。
「熱いお風呂に入ったら、疲れが取れてよく眠れました!」という方を調べてみると、疲れが取れたから眠れたのではなく、疲れ切ってしまったので眠り込んでしまったという衝撃の事実が明らかになりました!
熱いお風呂が好きな方でも疲労が溜まっている時は、39℃以下のぬるめのお湯に半身浴するようにしましょう。